ミニチュア着物 13 市松人形編の5

  • 2011/11/02(水) 09:49:41



や、やっと着物が完成しました…!


以下覚書的わりと専門的説明なので、適当に画像をお楽しみください・・・・・・・・・・・・・・・・・・




縫う時間より悩む時間が長く、予想よりもずっと大変な仕事でした。
衿は生地幅がたりなかったので、衿比翼をやめて、足し布に比翼用の生地を使い
伊達衿付きのような形にしました。
表地が厚いので、比翼を別に作るよりも馴染みが良いかもしれません。

iphone_20111101232952.jpg



袖比翼の仕掛けは、まあ上手いことできたと思います。

その昔、格式ある家柄の花嫁は、数日間続く披露宴に三色(黒赤白)三枚の着物を誂えて、
毎日重ねる色の順番を替えて着たそうです。

この袖比翼は、それを真似るつもりで上着と同柄になるようにしました。
材料とした訪問着の袖が左右同柄でしたので、こうしたことができました。
今回、意図せず裁ったのにもかかわらず、この袖比翼と共衿の柄合わせができたことはミラクル!!です。


iphone_20111101232224.jpg


袖比翼と言っていますが、袖口ナシのなんちゃって比翼です。
普通の付け比翼と違い、振りから覗くだけでなく、装飾として上着から
出せるようにもしています。

襦袢の袖と同じ作りです。
袖口は別に作ることもできますが、今回は省略。

比翼全体としては柄合わせできていないので、かなり自己満足的仕事なのですが、
まあ、いいか。精一杯やりました。




前身頃メインの柄合わせと背縫いが無いことにより
後ろ身頃の柄は上下逆さまになりました。
はっきり逆さまが目立つような柄は避けて、菊花と紅葉の柄をおきました。
裾回しの柄も逆向きですが、同じく菊花ばかりですので
ぱっと見の印象としては悪くないはずです。


もう一つ、やってみて驚いたことがあります。
胴裏に紅絹(もみ)を使うかどうか、と迷った時のことです。
白地の表地なので、白い胴裏にすべきかな、と思いつつ
時代的に紅絹にすべきかな、と生地を重ねてみたのです。

色の効果というのは面白いですね。
白を重ねるよりも、赤を重ねる方が断然よかった。
理由は、黄ばみやシミの薄茶が、赤を重ねると目立ちにくくなるからです。
白を重ねると、汚れが目立ってしまいました。

紅絹の意外な効果を知りました。


現代の生地は厚すぎて、裾回し、比翼にも表生地を使ったので、とても重くなってしいました。
前々から感じていますが、現代きものは重ね着に適していないように思います。





あとは肩揚げと腰揚げをしますと、このお嬢さんが着こなしてくれます。




松子(仮名)ちゃんです。
身長62cm、年齢は推定90歳以上。大正生まれだろうと思います。
とても綺麗な大人っぽい顔立ちでピンク系の色白さんです。
でも経年の薄汚れはあります。

松子ちゃん(仮名)は、松本市からやってきました。
オーナーさんは、なかなか裕福なお家にお生まれだったようです。
詳しくはご紹介できませんが、歴史の教科書の記述というのは
単に過去の出来事というだけでなく、現在まで積み重なり、繋がっていることなのだと
気づかされるお仕事となりました。

なりました、と言ってしまいましたが、まだ長襦袢も帯も作らなくてはなりません。
予定よりも、かなり遅れています。
頑張ります。




古い市松人形の画像を検索するときは、「答礼人形」がいいですよ。
「市松人形」だと怖ろしげな画像が紛れていますし、オリジナル着物を
着ていない人形ばかりでした。

市松人形用の仕立て本を取り寄せてみたものの、
製作者の意図が盛り込まれているためか
現代的な解釈の基に寸法を変更しているためか、
人形用と人間用の違いというものなのか、
あるいは自分の解釈が間違っているのか。

何箇所か疑問の部分がありまして、
オリジナルの古い着物を着た人形の画像を探したのです。

「市松人形=答礼人形」だと思っていなかったので答えを探すのに時間がかかりました。
一応、答えは探し出せました。
この仕事に取り掛かる前から分かっていれば、悩む時間も減っただろうに。
しかし明確な答えはなく、もう少し和装の変遷を勉強しなければダメなようです。

(たぶん、おはしょりとか抱き人形から置物人形への変化とかなんとか、、、メモメモです)

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No title

完成おめでとうございます!(?)
すごい!!!とっても綺麗です!!!
私が人形サイズだったら着てみたいくらい可愛らしいです(笑

今まで、経過を拝見していても和裁の知識がなく、着付けも出来ない私は、
頭の中がハテナでいっぱいだったのですが、出来上がりにはもうただ興奮するばかりです。
本当に、お疲れ様でした!

そして、いちまさんのお顔が見れて嬉しいです。(見れないかと思っていたので)
とっても可愛らしい顔立ちですね!目が丸っぽくて、優しい感じです。
答礼人形という名称は初めて知りました。
さっそく、画像検索していちまさんを堪能したいと思います(笑)

長襦袢の製作も大変そうですけど、がんばってください!
でも、無理なさらないで下さいね~。

  • 投稿者: ハン蔵ハンゾー
  • 2011/11/02(水) 19:50:54
  • [編集]

Re: No title

ハンゾーさん:

> 完成おめでとうございます!(?)
ありがとうございます♪
少し肩の荷がおりました。

> すごい!!!とっても綺麗です!!!
> 私が人形サイズだったら着てみたいくらい可愛らしいです(笑
そお、そお?派手過ぎる部分を裏へ回して、なるべく可愛らしく
してみました。

> 今まで、経過を拝見していても和裁の知識がなく、着付けも出来ない私は、
> 頭の中がハテナでいっぱいだったのですが、出来上がりにはもうただ興奮するばかりです。
> 本当に、お疲れ様でした!
基本的には覚え書きなので、親切に書いてなくてごめんなさい。
元の着物がいいので、立派な振袖になりました。
リメイクも素材次第です。

> そして、いちまさんのお顔が見れて嬉しいです。(見れないかと思っていたので)
> とっても可愛らしい顔立ちですね!目が丸っぽくて、優しい感じです。
> 答礼人形という名称は初めて知りました。
> さっそく、画像検索していちまさんを堪能したいと思います(笑)
現在は、今一つ大事にされていないようだったので、
いろいろ整えておりました。勝手にやってしまったので、奉仕活動です。
答礼人形は、私も詳しく知りませんでした。
立派なお人形が海をこえて、親善の役割を担ったということに
今更ながら感動しました。
>
> 長襦袢の製作も大変そうですけど、がんばってください!
> でも、無理なさらないで下さいね~。

そんなに無理していませんよ。どうも集中すると深夜型の生活に
戻ってしまうんです。
襦袢は、生地を前にしたら簡単でした。柄合わせが無いので。
あと少し、いやまだ細々あるけれど頑張ります!!

  • 投稿者: とじはぎ むう
  • 2011/11/03(木) 10:27:31
  • [編集]

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